Canon AE-1PROGRAMのシャッターの鳴きを直す方法をご紹介します。
この記事を書いている段階では、一度目の現像は終了しており、AE-1の状態も良好っぽいので記事にしてみることにしました。
前回までの振り返りですが、外観レビューをして特徴をお伝えし、その後シャッターを切るために実際に電池を購入して入れてみて
「キュンッ!!!」
と異音が鳴ってしまったわけです。
というわけで今回はAE-1ではなかなか有名なトラブル“鳴き”を改善したいと思います。僕は機械を隅々までいじれるようなタイプではありませんが、今回の作業は比較的簡単でしたのでご紹介。
Canon AE-1Programのシャッターの鳴きを改善する方法
症状については上の動画をご覧ください。これが“鳴き”です。
最初は本当に
「えっ?」とちょっと引くくらい変な音で、「マジかよこんなの外で使えない、ぼく使えない」とうなだれました。
しかし、調べてみるとマニアのみなさんは本当にすごくて、結構簡単に直せることを知ったんですよね。
方法は意外と簡単で、僕にもできそうだなと思いましたので、実際に本体のネジを緩めて内部を確認してみることにしました。
っと、その前に準備をしなければならないモノもあります。
必要なもの
- 精密ドライバー
- 精密潤滑油(556など)
- インジェクター(注射器・スポイト)
- 少しの知識
- 勢い
知識と勢いはどうにでもなるのですが、とりあえず必ず必要なのが潤滑油です。
鳴きの原因はギヤが固まってしまって滑りが悪いからで、油をさしてあげると音がなくなります。
潤滑油について
「潤滑油は100均の油でも直った」という方もいらっしゃいますが、できればちゃんとした精密機械用の潤滑油を使うことをおすすめします。
2,000円もするのが悲しいところですが、これなら間違いなさそう。時計もこれで直るみたいです。
ちなみに僕は一般的な潤滑油556を使いました。これもあまり良くはないんでしょうけどね。
ただ、ジャンク品というか掘り出し物で若干諦めていたこともあって、元から持っている油で良いかという感じで使ってみました。
- 一般的な潤滑油よりも粘り気があるらしく、推奨されている
- 注射器(スポイト)で吸えるので注油しやすい
こんな理由があるため、556よりも精密潤滑油を使うことを推奨されています。
注射器の先端が細ければ、ギヤ以外に飛び散らずに済みます。ギヤ以外に飛び散るとシャッターの幕まで油が届いてしまう場合もあるそうです。
必要な物はこんな感じ。
鳴きを改善するまでの流れ
流れは簡単です。
裏を開ける
丸で囲っているところを精密ドライバーで開けます。精密ドライバーは軽く回そうとすると失敗してネジがなめってしまうので注意。
- ネジを無くさない
- どこのネジか覚えておく
- 復元用に写真を取っておく
- ネジの溝を潰さない
オイルを注入。(556のスプレータイプの場合↓)
場所が問題なんですが、左の丸のところです。ライトを照らすと微かに真鍮のギヤが見えるので、それにオイルを「シュッ」っと軽く、本当に軽く吹きつけます。(スプレー式の場合かなり注意してください)
あまり大量にオイルを出すと垂れてしまいますので、ご注意ください。
注射器の場合はちょっと押し出すだけですかね。スプレーでやる場合も注射器の場合でやるにしても練習してからやってみると良いですね。
オイルを注入したあとはシャッターを何度か切ってみると、運が良ければすぐに直ります。僕はすぐ直らなかったので1時間ほど放置をしていました。すると…
鳴いているバージョン↓
明らかに違います!これで使える!直りました!
一日置いて直る場合もありますし、再注油して直る場合もあるそうなので、諦めないでやってみてください。ただ、この作業は自己責任で、壊れても後悔しないって方のみ試してみてください。
オイルを入れるときの注意点
繰り返しになることもありますが、注意点をまとめます。
- オイルを少しだけ出すために注射器など細いものを買っておく
- フィルムを入れた状態でやらない
- オイルを入れた後はシャッターの幕にかからないように逆側に傾けておく
最後に
シャッターの鳴きがなくなって恥ずかしくないカメラになりました。笑
現代のカメラではこのようなトラブルは聞いたことがありませんが(あるのかも)、AE-1PROGRAM以外のカメラでもフィルムカメラではこのような症状が出ていることはあるようです。
今回は推奨されているオイルを使っていませんので、直ったこと自体はたまたまかもしれません。また鳴き始めたら粘り気の強い精密潤滑油を使おうと思いますが、当面は今の状態で楽しんでみようかと思います。
次回はAE-1P で撮った写真をバババッと載せていきます。
それではまた〜