Kodak ULTRAMAX 400 レビュー|特徴と作例でわかる“クセ強フィルム”の魅力
青が好きな人、ちょっと変わった写りを求めている人に、ぜひ一度試してみてほしいフィルムがあります。
それが、KodakのULTRAMAX 400(ウルトラマックス 400)。
ISO400という使いやすさを持ちつつ、とにかく“青い”という強烈なキャラ立ちで、ハマる人にはとことんハマるクセ強フィルムです。
この記事では、実際に使ってみた感想と作例を交えながら、ULTRAMAX 400の特徴や魅力を紹介します。
この記事の目次
Kodak ULTRAMAX 400とは?
ULTRAMAX 400は、Kodakから発売されているカラーネガフィルム。
- ISO感度:400
- 撮影枚数:36枚撮(135フィルム)
- 特徴:青の発色が強い、高彩度・高コントラスト、シャープな写り
- ラチチュード広めで多少の露出ミスはカバー可能
明るめの室内ならフラッシュなしでも撮れますし、夜や暗所はフラッシュありでしっかり写ります。
価格も比較的リーズナブルで、フィルム初心者から上級者まで幅広く楽しめる1本です。
ULTRAMAX 400の写りの特徴

- ISO400で使いやすい
- 価格が比較的安い
- 常用フィルムの候補
- 青く写りがち
- ハイキー、逆光で光を多めに取り入れると青が薄れて好き
- アンダーだとちょっと空などもちょっと不自然
コントラスト・彩度は高め

まず感じるのは、パキッとしたコントラストと、しっかりと乗った色。
派手すぎるわけではありませんが、ナチュラル寄りのフィルムと比べると明らかに主張があります。
青の発色にクセあり

いちばんの特徴がこの”青さ”。 空や影、コンクリートや道路など、ところかしこに青が強めに乗ってきます。
順光や明るいシーンではその青が映えて印象的な写りに、逆にアンダー寄りになると”青かぶり”気味になることも。
このあたりは好みが分かれるポイントですが、うまく使えば他のフィルムには出せない印象的なカットになります。
ハイキーで撮るのが好み(ちょっとしたコツ)

個人的には、少しハイキー寄りに撮るのが好みです。
逆光や明るい場所で露出多めに撮ると、青がほどよく抑えられて、全体的にやわらかく優しい雰囲気になります。
アンダーだと黒やグレー部分が青くなりすぎてしまうので、ちょっと気をつけたいところ。
現像やスキャンでも印象が変わる

同じフィルムでも、現像所によって仕上がりは大きく変わります。
以前よりも青みが抑えられたように感じることもあれば、スキャンの設定次第で全体がナチュラル寄りに見えることも。
「青が強すぎるな」と感じたら、現像所やスキャン設定を変えてみるといいかもしれません。
ULTRAMAX 400の作例とシーン別の印象
ポートレート(子ども・家族)
意外と肌色が綺麗に出てくれて、子どもの写真も悪くないです。
順光や日陰の柔らかい光だと自然な色合いになりますし、背景に空が入らなければそこまで青さも気になりません。
ただし、強い日差しや青空との組み合わせでは少し注意が必要です。


この写真の色味を見てウルトラマックスが大好きになりました。自然な青み+綺麗な肌色。


青みが強いと言われがちですが、その情景に合わせたスキャンをお願いすればウルトラマックスでもいい感じの暖色系。










都会スナップ・夜景
ネオンや街灯がある夜スナップでは、青っぽさが逆に雰囲気にマッチします。
建物の影や道路が青く染まる感じがクセになるかも。
夜景を“かっこよく”写したい人には向いています。



夜も良い感じです。建物はちょっと青くなりすぎている印象はある。


海も良い感じ。夕焼けに染まった浜辺はちょっとだけ青みがかかったオレンジで何とも言えない幻想的な色。



自然・風景(山・空・水)

空や海、山の緑といった自然の風景では、青が強く出るぶんドラマチックな印象に。

晴天の日の空は特に鮮やかに出て、「これぞULTRAMAX」と言いたくなるような写りになります。
一方で、曇りの日や霧がかった場面でも、意外としっかり色が乗るのも特徴です。
紅葉や花の撮影
紅葉のオレンジや花のピンクもしっかり写りますが、光の具合によっては青が混ざってしまうことも。
ナチュラルな色味を重視するなら、少し明るめに撮って調整すると◎。



オレンジの紅葉も綺麗に。
モノ撮り・室内
室内や雑貨のような被写体でも、光がしっかり入る環境なら問題なし。
ちょっとしたブツ撮りにも使えますが、色味はやや青寄りになるので気になる場合は注意。





本格的なブツ撮りに使おうとは思いませんが、ちょっとしたモノ写真を撮るならありですね。
他フィルムとの違いは?
Kodak GOLD 200との違い
同じKodakのエントリー寄りフィルムですが、GOLD 200はもっとナチュラルで柔らかい写り。
ULTRAMAXのほうが彩度・コントラストともに強めで、よりインパクトのある写真になります。
PORTRA 400・PROIMAGE 100との比較
- PORTRA:肌色が自然でポートレート向き。価格はULTRAMAXより高め。
- PROIMAGE:落ち着いた発色。青は控えめ。
ULTRAMAXはその中間くらいの立ち位置で、「色の主張があるけどコスパも良い」フィルムです。
FUJIFILM SUPERIA X-TRA 400との違い
フジのX-TRA 400もISO400の定番フィルムでしたが、ULTRAMAXのほうが青が強く、コントラストもハッキリしている印象です。
フジ系の”緑っぽい写り”と、コダックの”青と黄色”の傾向がそのまま出ている感じ。
まとめ|ULTRAMAX 400はクセ強だけどハマるフィルム
- ISO400で日中〜室内・夜間まで幅広く使える
- 発色は全体的に強め、とくに青が主張する
- ハイキーで撮るとちょうどいい
- ナチュラルさより“個性”や“印象”を大事にしたい人向け
一度ハマると、この青さじゃないと物足りなくなる。そんな不思議なフィルムです。
気になった方は、まずは1本試してみてください。
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